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2016年08月18日

寝苦しい夏でも平気!? 快眠できる寝室のつくり方

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ベッドや枕を変えてもよく眠れない…それ、もしかしたら寝室そのものの仕様が原因かもしれません。窓の位置や照明、動線などに配慮した、安眠できる寝室づくりの方法を建築家の佐川 旭さんにうかがいました。

■あなたは大丈夫…? 眠れない日本人が増えている

睡眠不足が深刻な生活習慣病の要因になることも

厚生労働省の平成26年「国民健康・栄養調査」によると、ここ1ヵ月の間、睡眠で休養が充分にとれていない人の割合は20%だったとのこと。平成21年、24年、26年の推移でみると大きく増加しているそうです。

睡眠不足は、高血圧や糖尿病、血液中のコレステロールが高い脂質異常症、心臓病、心筋梗塞などによる心血管疾患など、深刻な生活習慣病の要因になるともいわれており、見過ごすことのできない問題です。

■壁・照明…寝室の“色づかい”に気をつけよう

寝室づくりはカラーセレクトがポイントに

早速、寝室づくりのノウハウをポイント別に教えていただきました。

●壁の色一般に草木の葉の彩度は3.5~6.0が中心です。これを基に考えると良いでしょう。これと同じ彩度を仮に外壁に用いると、自然環境の中ではやや突出した感じになります。そこで彩度を若干抑えると緑との調和が図られます。
寝室ではさらに抑えて、彩度は3以下にすることで落ち着いた空間をつくることができます。ちなみに和室は、すべて彩度3以下でつくられているために落ち着くのです。

●照明照明にも配慮が必要です。色は電球色が望ましく、電球色は温かさと心理的な癒しを感じさせてくれます。蛍光灯は交感神経を刺激する作用があるため、寝室の照明にはお薦めできません。また、リモコンで操作できる調光機能の付いたライトなら、寝たまま消灯できるので、布団から出てスイッチを消しに行く必要がなく、スムーズに入眠できます。

●方角寝室の方角としてはやはり朝日が入りやすい東向きが理想的。起床時、朝日を目にすると脳の体内時計の針が進み、スムーズに活動状態に入ることができます。

■湿度50%程度、音は50デシベル以下が理想

パートナーのイビキにもご注意を…

室内の湿度も安眠が得られるか否かを左右するポイントになるそうです。

「理想は50%程度。60%になると寝苦しいと感じる人が増えてきます。オススメは調湿機能を備えている珪藻土や杉の無垢材を壁や天井に使うこと。湿度に応じて湿気を吸ったり・吐いたりしてくれるので寝室の湿度調整に適しています。ただし、珪藻土は価格によっては含有率が変わり、吸湿性能が異なるので注意が必要です。ハウスメーカー、あるいはリフォーム業者にどのくらいの効果があるのか具体的に聞いておくと良いでしょう。家電製品はあくまで補助程度に考えたほうが良いと思います」

さらに、周囲の住環境によって異なる“音”も重要。

「50デシベル以下が理想ですが、これは一般的な住宅なら実現できている数値だと思います。ちなみに交差点の騒音レベルは平均的に70~80デシベルです。注意したいのは家の近くの生活道路。平日は静かなのに、土日だけ“抜け道”になって交通量が増える場合があります。また、敷地のそばにゴミ出し場がある場合は、早朝から“井戸端会議”が始まることも。できれば事前に平日、土日の住環境をチェックして比較してみましょう」

■エアコンの設置位置には注意が必要

エアコンの位置によって安眠できるか否かが決まる?

夫婦の寝室で一緒に寝る方は、夫と妻の入眠タイミングに注意することも、安眠できる寝室づくりのポイントになるそうです。

「眠るタイミングは人それぞれ。例えば読書しながらでないと眠れない人、しばらくラジオを聴く人、あるいは布団に入るとものの1分で寝てしまう人…本を読みながら眠りたい人は、読書灯や、光の範囲が広がらないタイプのスポットライトを使うとパートナーに迷惑をかけないのでお薦めです」

また、エアコンの位置がどこになるかを確認しておくことも大切なポイントです。

「頭上に室内機があるのは避けたいですし、冷風が直撃するような場所にベッドを置くのも良くありません。エアコンの設置場所はドレン管やコンセントの位置によって必然的に場所がある程度決まってくるだけに注意が必要です」

■“第二のリビング”と位置づけ、じっくり寝室づくりを

爽快な目覚めのためにも本気で寝室づくりに取り組もう

記事冒頭で述べたとおり、睡眠は私たちにとって非常に大切なもの。にもかかわらず、家づくりにおいては軽視されがちで、なかには「ベッドさえ置ければいい」くらいにしか考えない人も。

「まず皆さんが最初に考えるのはリビング。最近では、家づくりの主導権が奥さんになってきたことからキッチン、ダイニングを最重要視する方も増えています。次いで水まわり、子ども部屋、収納、etc,…ときて、夫婦の寝室が最後に回されるケースは少なくありません。でも、寝室は“第二のリビング”とも呼ばれる、実は大切な空間。寝る前にベッドをソファ替わりにして、今日はこんなことがあったんだよ、などと話したり、録画しておいたドラマを観たりなど睡眠前の穏やかなひと時を過ごすにはぴったりな場所なのです」

心身ともに健やかに過ごすため、家づくりの際は寝室にも注意をしてみると良いでしょう。

参考資料:「厚労省 睡眠調査」

一級建築士

佐川 旭(さがわ あきら)

住宅だけでなく、公共建築や街づくりまで手がけるベテラン建築家。住まいや間取り に関する多くの著書を手掛けるほか、講演やテレビ出演など精力的に活動している。All About「家を建てる」ガイド。