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2016年09月09日

今さら聞けない!低金利って何がどうお得なの?

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「住宅ローンが低金利だから、今は建て時!」と言われるけれど、それがどういうことなのかよく分からない…。そこで、ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんに、低金利のときに家を建てるメリットとローン選びのポイントについて教えていただきました。

■住宅ローン金利は“史上最低水準”に

「フラット35」の金利推移(返済期間21年以上35年以下、融資率が9割以下の場合)。

現在、住宅ローンに限らず、銀行の預金金利も低い水準が続いています。その理由について、西山さんに聞いてみました。
「一般的には、景気が良くなると物価が上がり、金利も上昇します。バブル時代の末期である1990年前後には、定期預金の金利が5~6%だったことも。しかし、現在は景気が良くないと国や政府が判断し、金利を下げてお金を借りやすくしています。お金が借りやすくなると、企業が設備投資を、個人は住宅を購入するため、景気は上向いてくるのです」。

では、現在の住宅ローン金利はどのぐらいなのでしょうか?
「長期固定金利の代表的な住宅ローン『フラット35』を見てみましょう。7年前の2010年4月は最低金利2.84~最高金利3.59%、5年前の2011年7月は2.39~3.39%と徐々に下がり、2016年7月は0.93~1.58%まで下がりました。途中、小さな山谷はありますが、今の金利は過去最低水準といえます」。

■住宅ローン金利が低い方が、返済額は少なくて済む!

同じ3000万円を借り入れた場合でも、金利が0.5%違うだけで返済額に大きな差がでてきます。

住宅ローンの金利が低いと、どんなメリットがあるのでしょうか。
「金利が低い方が、借りるための利息(手数料)は少なくて済むため、総返済額はもちろん、毎月の返済額も抑えられるようになります。例えば、同じ3000万円を借りた場合、金利が0.5%では総返済額は約3270万円、2.5%では約4500万円と、およそ1230万円も変わるのです。同様に、毎月返済額も約3万円変わります。この差は大きいですよね!」。

今後、景気が上向きになると、金利も上昇する可能性があります。だからこそ、史上最低金利の今は「家は建て時だ」と言われているのです。

■固定金利、変動金利…何がどう違うの?

金利タイプの特徴を把握して選ぶことが大事。分からないことは、ネットなどで調べておきましょう。

ひとくちに“住宅ローン金利”といっても、大きく分けて3つのタイプがあります。
「『全期間固定金利』は借りたときの金利が返済終了までずっと変わりません。『固定金利期間選択型金利』は、5年固定、10年固定など、当初の一定期間は金利が変わりませんが、それ以降は、その時点での金利で変動金利や固定金利になります。『変動金利』は半年ごとに金利が変わります」。

一般的に、金利の水準は、低い順番に変動金利、固定期間選択型、全期間固定金利となります。「それを知ると、“低金利のチャンスを活かすために変動金利の住宅ローンにしよう”と考える方は多いでしょう。しかし、変動金利は、今後金利が変われば、返済額も変わってしまいます。低金利のときは返済できていたけれど、金利が上がったから返済額も高くなってしまう可能性もあるのです」。

■固定期間選択型の注意点は?

一定期間が過ぎると返済額が増える可能性がある『固定期間選択型』。子供の教育費アップと重なると、ローン返済が大変に…ということにも。

固定期間選択型の場合、最初の金利は低いですが、一定期間が終わった後、金利が上がる可能性があるということに注意が必要です。「一定期間後に金利が上がったので、月々の返済額が上がってしまい、返済が大変になったというケースもあるようです」。

また、金利の低い変動金利や固定期間選択型を借りることで、毎月返済額を抑え、家計にゆとりがでた分を“繰り上げ返済(※)”に充てようと考える方がいます。

「世帯年収が多いご家庭なら問題ないかもしれません。しかし、今後数十年の間に転職によりお給料が変わる可能性がありますし、お子さんの誕生や成長に伴い教育費が増えることにより、思うように繰り上げ返済ができなくなるかもしれません。低金利のメリットを活かすことは大事ですが、どの金利タイプを選ぶかは慎重に検討したいですね」。

(※)繰り上げ返済
毎月の決まった返済とは別に、先々の返済分を前倒しして返済すること。返済期間を短くする「期間短縮型」か、毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」を選択できるケースが多い。

■全期間固定金利で、超低金利のメリットを活かそう

返済が長期に渡る住宅ローン。安心感のある返済計画はとても重要です。

全期間固定金利の場合、金利水準がいくら変わっても、借入時の金利が最後まで適用されるため、返済額の“変動リスク”を避けられます。

「現在の超低金利のメリットを活かすなら、全期間固定金利型を選ぶという方法があります。変動型や固定期間選択型よりも金利は高くなるかもしれませんが、全期間固定金利型なら毎月返済額は変わらないので、安心感が高く、生活設計が立てやすくなる利点もあります」。

借入額の多い住宅ローンは、返済期間が数十年に渡るケースが一般的です。目先の1年、2年の“オトク”も気になりますが、長い目で返済計画を考えることが重要といえるでしょう。

ファイナンシャルプランナー

西山 美紀(にしやま みき)

出版社に勤務し、編集・マーケティングに携わった後、フリーライターとして独立し、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。現在は、女性誌、ビジネス誌、WEB等で幅広くマネーコラム執筆、マネー取材・原稿執筆などを行っている。All About「貯蓄」ガイド。