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2016年08月18日

「2階リビング」が子育てファミリーに適している理由

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一戸建ての場合は、1階に家族が集まるリビング、2階に個室…といった部屋割りが一般的。しかし、家屋が集積している都市部の住宅街や敷地が狭いケースでは「2階リビング」を選択する方も増えてきました。選ばれるだけの複数の理由があるなか、特に注目したいのが「子育てファミリーに適している」こと。注文住宅などの企画・設計・監理に携わり、2階リビングも数多く手掛ける二級建築士の小垣外 明子(こがいと あきこ)さんに、魅力や特徴をお聞きしました。

■子どもの未来にもプラス!? 2階リビングの効果とは

快適な2階リビングがあれば、子どもは自然とここで勉強する時間が長くなる?

2階リビングの一番のメリットは、日当たりが良いために明るく、風通しが良好で空が広く見えることです、と小垣外さん。敷地が狭い都市部の住宅街ほど1階は周りの建物の影響を受けやすくなりますが、2階であれば良好な環境がつくりやすくなります。階下に空間があるため、1階リビングに比べると暖かいことも魅力だそうです。

特に、子どもが小学生くらいまでの子育てファミリーなら2階リビングはおすすめとのこと。

「私は、若いご夫婦から家づくりの依頼をされる時、必ずと言っていいほど、“自然な親子のコミュニケーションのために、リビングを通って子ども部屋に行く動線にして欲しい”という要望を受けます。そのとき提案するのが、明るく快適な2階リビングの家。2階リビングなら勉強や作業ができる大きなダイニングテーブルを置く場所を確保しやすく、明るく快適なリビングをつくることで、子どもが自然にやって来て親と一緒に過ごす時間が増えるからです。また、子どもが帰ってきたことがわかるように、玄関上部を吹抜けにしてリビングから見えるようにするなど、間取りを工夫することもできます」

さらに、子どもが乳幼児~未就学児の場合は2階リビングで一緒に過ごせば親の目が届きやすく安全なことも2階リビングの長所といえそうです。

■まだまだある2階リビングのメリット

2階がリビングになると1階には寝室、子ども部屋、納戸などが集まるため、必然的に柱や壁が増え、耐震性が向上する効果も

「プライバシーを確保しやすいのもメリットです。2階リビングであれば、道路側にバルコニーを設けることで、外からの視線はかなりカットできます。隣家との窓の位置をずらすなど考慮すれば、大きめの窓も計画しやすいですね」

さらに耐震性のメリットもあります。

「2階建ての建物で耐震を考慮した時、1階と2階では、1階のほうに、より多くの柱や耐力壁が必要になります。リビングには通常、開放感を求めますから、柱や耐力壁はできれば少ない方が良い。となると、1階に個室をもってきて2階をリビングとしたほうが好都合です。結果的に耐震性にも優れた建物になります」

■こんな住宅設備・仕様が2階リビングに向いている

優雅に回るシーリングファンは2階リビングに最適なアイテム

続けて、2階リビングの家におすすめの住宅設備、仕様を教えていただきました。

●【門扉や玄関ドアの錠をドアホンなどと連動させ、遠隔操作で施解錠できる電気錠】「お客様の来訪時や子どもが帰ってきたとき、その都度2階から1階まで下りるのは大変です。ドアホンと連動して、遠隔操作で施解錠できる電気錠をつけると便利です」

●【シーリングファン】「勾配天井や天井の高いリビングにシーリングファンを取り付けて回転させれば、部屋の中の空気を循環させて室内の温度を均一に保ちやすくなるうえ、冷暖房の効き目を向上させる効果も。リモコンで操作できるタイプが便利です」

●【階段の幅を広げる】「2階リビングでは、荷物や買い物したものを持って毎回階段を上り下りすることになります。両手が塞がった状態や、小さい子どもと手をつなぎながら階段が利用できるように、階段の幅を広めに取っておくといいでしょう。上り下りをラクにする工夫として、階段をできるだけ緩やかにするのもおすすめ。また、お客様も使う階段になりますので、思わず上ってみたくなるようなデザイン性の高い階段にすれば、住人の方も気分が上がると思います」

●【バルコニーをリビングに隣接させる】「2階リビングに隣接して大型バルコニーを設けることで、リビングとの一体感が生まれ、より開放的な空間をつくることができます。全開口サッシやバルコニーのデッキ材を敷くことで、アウトドア風なセカンドリビングにもなります。また、暑さ対策としてシェードなども付けられるようにしておくと便利です」

■注意すべきポイントも知っておこう

<画像⑤キャプション>
高齢者になった時、2階リビングは上り下りがつらくなる?

まず考えられるのが防犯面。2階リビングにすることで、寝室や子ども部屋といった個室が1階になりますので、不審者や空き巣が侵入してきても気づきにくいことがあるからです。また、1階での就寝は、少しの物音でも気になります。したがって、窓にシャッターをつけるなど防犯・防音対策が必要になります。

「また、日当たりがよくなる反面、夏場は暑くなりやすくなります。特に、屋根形状に合わせて勾配天井にした時は、屋根からの熱の影響も受けるため、屋根断熱の性能向上や熱を逃がす装置といった暑さ対策が必要です」

さらに、老後や病気にかかった際に階段の上り下りが負担になりそう、という点も。

「今は想像しづらくても、将来対応できるように考えておくことも必要です。リフォームしやすいように耐力壁の位置を考慮する、あるいは、住宅用エレベーターが設置できるように1階・2階の同位置に収納を設けておくのもよいでしょう」

■メリット、デメリットを並べて総合的な判断を

とにかく明るく、開放的なリビングに住みたい!という方にも2階リビングは向いている

2階リビングの魅力、お分かりいただけたでしょうか。もちろんメリットの半面、先述したように注意すべき点や1階リビングにはないデメリットもあります。2階リビングを選ぶ際は、現在~将来に起こり得ることをしっかりイメージして、総合的に判断するようにしてください。

二級建築士

小垣外 明子(こがいと あきこ)

“建築と生活のあいだをつなぐ家づくり”をテーマに、ライフスタイルの提案型アプローチで戸建てや共同住宅を手掛けている。