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2016年07月21日

家を建てる前に知っておきたい、耐震性のハナシ

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甚大な被害をもたらした熊本地震の報道を見て、一戸建ての耐震性について不安・疑問を持つ方が増えています。そこで現在の耐震基準の内容や、住宅性能表示制度の耐震等級の違いなどについて、わかりやすく解説しましょう。

●時代によって進化している耐震基準

「建築基準法」による耐震基準は、大地震後、幾度も改正されています

現在、日本で家を建てるときには「建築基準法」で定められたルールの順守が義務付けられています。建築基準法とは、人間の生命と健康、財産の保護のため、建築物の面積や高さ、用途などの制限とともに、構造や技術基準などが定められた法律のことで、耐震基準についてもこの法律で述べられています。

建築基準法は1950年に制定されましたが、その後、大きな地震が起きたるたびに耐震基準が改正されています。その中でも最も大きな改正が1981年の「新耐震基準」の導入で、1978年に起きた宮城沖地震を教訓に、耐震設計法が抜本的に見直されました。

現在はこの「新耐震基準」がベースですが、1995年に起きた阪神淡路大震災の被害を受け、2000年に木造建築物の構造体の強化基準などが設けられています。

●よく見聞きする「耐震等級」って何?

住宅性能表示制度の「耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)」。等級3が最も高くなっています

住宅メーカーのホームページなどで「耐震等級」という言葉を見たことはありませんか?
耐震等級とは、2000年に定められた「住宅の品質確保の促進などに関する法律」に基づく、「住宅性能表示制度」で用いられている言葉です。

住宅性能表示制度とは、省エネ生、耐火性、バリアフリー性など10分野の性能を、等級や数値で表示する制度です。耐震性能は1~3の等級で表示されており、「耐震等級1」が先に述べた新耐震基準を満たすレベルで、「耐震等級2」は等級1の1.25倍の耐震性を、「耐震等級3」は等級1の1.5倍の耐震性を持つことを示します(左図参照)。

ちなみに、住宅性能表示制度は任意制度なので、制度を利用せずに家を建てることは可能です。ただ、制度を利用し、一定の評定以上であれば地震保険料の割引が受けられたり、家を売るときに有利になる場合があります。

●「長期優良住宅」の耐震性はどれぐらい?

長期優良住宅は、耐震性も備えた“ベタ基礎”であることが定められています

長期優良住宅とは、「長期優良住宅認定制度」による認定を受けた住宅のことです。
この制度は、長く快適に住み続けられる住宅を建てることにより、解体等による廃棄物を減らし、環境負荷を低減することを目的として、2008年に定められました。

長期優良住宅に必要な条件は、耐久性、省エネ対策、維持保全計画など7項目あります。もちろん耐震性も含まれており、耐震等級2相当以上、または免震建築物であることが求められています。

長期優良住宅も任意制度ですが、認定されると、住宅ローン減税の控除額が増えたり、登録免許税や固定資産税等の税金が軽減されます。さらに、長期固定金利住宅ローン「フラット35」の金利引き下げや、50年間固定金利の「フラット50」が利用できるなどのメリットもあります。

●「耐震」と「免震」、そして「制震」の違いは?

いずれも地震に強い構造ですが、“揺れを感じる”程度が若干異なります。

「耐震構造」とは、建物自体を頑丈につくり、地震などの揺れに耐える構造です。ただ、地震発生時に建物が揺れやすいため、中にいる人が激しい揺れを感じたり、家具が倒れることがあります。

「免震構造」とは、建物の基礎部分に免震装置を設置して、地震の揺れを建物に伝えにくくする構造です。地震のときには建物がゆっくりと揺れて、建物の損傷や家具の転倒を防ぐ効果があります。

「制震構造」とは、建物の壁や柱などに制振装置を組み込むことで、地震の揺れを吸収する構造です。地震発生時には基礎や土台は揺れますが、建物の揺れは少ないので、建物の損傷や家具の転倒を最小限に抑えられます。

現在は「耐震構造」を備えた一戸建てが多いのですが、独自の耐震システムや、免震・制震装置を用意している住宅メーカーもあります。どれを選ぶにしても、得られる耐震性はもちろん、メリット・デメリットも確認しておくことが大切です。

●“家の耐震性”だけでは不十分?!

地盤が弱いと、大地震が起きた時に家が傾く“不同沈下“が発生する可能性もあります

耐震性の高い家を建てることは大事ですが、家は“地面”の上に建てるため、地盤の強さも重要になります。

例えば、地盤が軟弱な場合、大地震の際に建物の重さを支えきれずに家が傾いたり、一部分が沈んでしまうことがあります。そこで、建築前には必ず地盤の状態を調べてもらい、必要に応じて地盤改良工事やくい打ち工事などを行いましょう。

また、耐震性が高い構造を選んでも、施工不良があるとその性能は十分に発揮されません。さらに、安心して住み続けるためには、定期的なメンテナンスも必要になります。
住宅メーカーを選ぶ際には、「工事やメンテナンスを信頼して任せられるか」という視点も大事なポイントになると言えるでしょう。