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タマホームの
家づくりの手引き
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2022年1月31日

タマホームが「坪単価表示」をしない理由、商品開発担当者が語ります

タマホームが「坪単価表示」をしない理由、商品開発担当者が語ります

住宅の価格を知る基準として広く知られている「坪単価」。しかし、タマホームでは公式サイトなどで坪単価の表記をしていません。
それは何故なのか?「タマホームの家づくりの手引き」編集者が、商品企画担当者にその意図をインタビューしました。

タマホームが坪単価表示をしていないのはなぜ?

インタビュアー(以下「イ」):タマホームでは公式サイトなどで一切坪単価表示をしていませんが、どのような理由で坪単価表示をしていないのでしょうか?タマホームをご検討くださっている方々にとっては、知りたい情報だと思うのですが…?

 

商品開発担当者(以下「開」):坪単価については、わざと隠しているという訳ではないんですよ。タマホームでは商品の価格表記について、坪単価での表示を10年ほど前に廃止しているんです。

現在は、付帯工事などを含めたコミコミ価格でいくらですよ、というご提示の仕方になっています。

その前までは、例えば「坪単価248,000円」「坪単価258,000円」といった風に坪単価表示をしていたんです。

20年前には坪単価表示を行い、世間で広く認知されるようになりました。

イ:そんなに早くから坪単価表示をしていたのに、どうして無くしてしまったのでしょう?

開:「坪単価248,000円」というのは、あくまで基本建築費を延床面積で割った価格です。付帯工事費が加算されると、最終的にはその価格にはならないんです。

 

イ:確かに、坪単価の算出の仕方って、住宅メーカーによって「何を分子にするか」はさまざまですよね。

 

開:そうなんです。分子だけじゃなく、分母となる坪数も何を用いるかは各社異なっていて、延床面積(各階の床面積の合計で、吹き抜けやロフト、玄関ポーチなどは含まない)のところもあれば、施工面積(吹き抜けなど延床面積に含まない部分も含む)のところもある。

厳格な定義っていうのは決められていませんから、各社によって算出方法が異なるんです。

だから、一見すごく安く見えても、同じ算出方法で比べてみないと価格が安いとも高いとも言えないわけなんですが、なかなかそれは難しい。

 

イ:確かに…ホームページを見比べてみても、坪単価の算出方法が何を何で割っているのか、書かれていないところもありますものね。

 

開:お客様が知りたいのって、最終的にいくらになるのか?ということですよね。

坪単価で表示されている価格と実際に建てた後の価格に乖離が生じて「こんなはずじゃなかった…」となってしまうのは、避けたいことだと思うんです。

それにお応えするために、タマホームでは現在、付帯工事費を含めたコミコミ価格(住宅販売価格)での表示をさせていただいています。

 

イ:坪単価表示をしなくなったのは、タマホームが先駆けて坪単価表示を行ったからこそ、お客様の求めるものとの乖離に気づけたからなんですね。

 

開:はい、そういえると思います。

 

イ:公式サイトなどに坪単価表示がされていない理由はよく理解できました。
でも、住宅ポータルサイトなどには坪単価が載っているケースもありますよね。あれは何故ですか?

 

開:シンプルに、入力項目として必須なんですよ。

ポータルサイトに載っている坪単価は、注文住宅の施工事例から算出したものです。ですから、過去にタマホームが出していた「坪単価248,000円」よりは高価に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、タマホームは建てる前と建てた後の価格の乖離を最小限に抑えている、ということは知っていただきたいなと思います。

 

イ:そうですね。

「坪単価表示をしていない理由」に、こんなに深い意図があるとは…知りませんでした。

では、タマホームは高いのか?安いのか?

「シフクノいえ プレミア」商品紹介Webページより

イ:タマホームの企画住宅には、安価な商品プランもありますよね?

 

開:はい。タマホームはエリア毎に価格が異なりますから、日本全国同じ価格で…という訳ではないのですが、例えば積雪50cm以下の省エネ地域区分の5・6・7地域と呼ばれるエリアで展開している企画住宅「シフクのいえプレミア」は、住宅販売価格が平屋建てプランだと1,087万円、2階建てのプランが1,149万円と、お手頃な価格でご提供しています。

この価格は、以下の付帯工事などの費用がすべて含まれたものです。

<シフクのいえプレミアの住宅販売価格に含まれる付帯工事費>

・屋外給排水工事費用※1

・工事監理費用

・下水道接続工事費用※2

・地盤調査費用※3

・屋外電気配線工事費用

・雨水排水工事費用

・住宅瑕疵担保責任保険加入料

・諸検査費用

・基本図面作成料

・屋外立水栓工事費用

・オプション工事費用※4

・仮設費用

・設計料

※1.屋外給排水工事費用は施工範囲が建物から10mを超える場合、別途費用が必要となります。

※2.合併処理浄化槽が必要となる地域は、合併処理浄化槽工事費用が別途必要となります。

※3.地盤調査の結果により地盤補強工事費用が発生する場合があります。

※4.プラン上のオプション工事費用のみ含まれています。

※掲載の価格はオール電化仕様となります。ガス仕様を選択された場合は、費用が別途必要となります。建築地の諸条件および建築時期により別途費用が発生する場合があります。

 

イ:本当に「コミコミ価格」に相応しく、いろんな費用がすべて含まれていますね。

 

開:はい。地域や条件によっても異なりますが、こうした商品プランもご用意しているんですよ。

現在のタマホームは、お客様のご希望やご予算に合わせてさまざまな商品ラインナップを揃えています。

「タマホームだからこういう家」という固定した商品ではなくて、たとえば地域の気候や特性に合わせた地域限定の商品もあります。積雪が深い寒冷地では高い断熱性を備えた商品、台風が多い地域ではシャッターを標準装備にした商品をご提供しているんです。

 

イ:なるほど。オプションにするのではなくて、その土地その土地の地域性や文化によって家づくりに必要となるものを、地域ごとに展開している商品プランに元から含めている、という感じなんですね。

 

開:そうですね。もちろん商品プランに含まれていないものもご要望に応じて柔軟に加えることはできますが、住む地域それぞれにおいて家に備わっているべき設備や仕様は、最初から価格に含まれていたほうがいいんじゃないかと考えています。

 

イ:確かに。いざ設計するという段階になってから、「寒いから断熱性を高めるオプションを…」って追加で費用が嵩んでいくのは、ちょっと残念ですものね。

それにしても、コミコミ価格と考えるとかなり良心的な料金設定だと思うのですが、どうやってこの価格を実現されているのでしょうか?

 

開:材料の仕入れ方法や中間に管理会社が介在していないことなど、「良品質低価格な家」を実現するために、タマホーム独自のさまざまな工夫を凝らしています。

例えば、タマホームは創業以来ずっと木造住宅にこだわってきたのですが、現在は森林組合や林業者、製材工場などのお取引先とタマホームが直接繋がることで、中間マージンをカットしています。

 

イ:タマストラクチャー」と呼ばれる流通システムですね。

 

開:はい。タマホームは、お取引先に建築棟数や木材の使用量を事前にお伝えしているんです。そうすることでお取引先はいつ・どのぐらいの木材を供給すべきかが分かりますし、弊社としては市場相場や時期に左右されずに安定した価格で国産材を仕入れることができる。双方にとってwin-winな流通システムだといえます。

施工についても、住宅建設に関しては中間に現場管理の会社が介在するのが通例でしたが、タマホームでは自社店舗の工務部門が直接管理をしている。だから、中間マージンが発生しないんです。

 

イ:住宅の素材そのものや仕様には妥協できないぶん、流通の仕組みや慣例を改革してコストダウンを実現している、ということですね。

 

開:タマホームの商売というのは、基本的に薄利多売なんですよ。

住宅は高価なもの、という概念をちょっと置いておいて、本当に必要なものとそうでないものをキチンと見極めて工夫して、できるだけ高品質で、できるだけ安い家をお届けする。

そうすることで、お客様からの信頼と支持を得られ、それが次のお客様に繋がっていく。

ありがたいことに、2021 年5 月期 のタマホームの年間受注棟数は12,324 棟でした。

施工棟数が多くなれば、お取引先へも一定量以上の発注ができ、仕入れ値がさらに安定する。このサイクルがあってこそ、「タマストラクチャー」といった新たな仕組みを実現できたんです。

多くのお客様のご支持が「良品質低価格のタマホーム」を実現できている、いちばんの理由だと感じています。

 

イ:住宅という一般的には高額な商品で「薄利多売」を貫く。

坪単価表示をしていないのも、そのポリシーに通ずるところがあるように思います。

 

開:そうですね。タマホームは高いから坪単価表示をしていない、ということではなく、地域や商品プラン毎に仕様が細かく分かれているので、一概に「坪単価○○円」と表示してお客様に誤解を与えたくはない、というのがいちばんの理由です。

一般的に商品を安くしようと思ったら、「コスト削減」という言葉のとおり、材料費を削ったり、人件費を削ったり、仕様を削ったり…という手段をとりますよね。

タマホームは「削る」だけじゃなくて、「足す」。コスト削減はあたりまえで、よりよい家づくりのために常に新しい仕組みやプランを創りだしているんです。

安くていいものをご提供するために、タマストラクチャーや自社での施工管理といった新しい仕組みを足す。

見た目を安く見せるために坪単価表示をするのではなく、お客様が本当に知りたい価格にするために、付帯工事費を足して住宅販売価格で表記する。

お客様が家を建てる際に望まれるものやことに、できるだけお応えしていく。

タマホームは、そういう住宅メーカーでありたいと思っています。