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2016年10月28日

20代、年収400万円。今の家賃で家は建てられますか?

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「家賃並みの支払いでマイホームを建てよう」という広告をよく見かけます。本当に建てられるの?!という疑問に対し、ファイナンシャルプランナーの山口京子さんに、具体的な条件や建てられる可能性について教えていただきました。

■ある程度の自己資金があれば、家賃並みの支払いは可能に

自己資金があった方が、家賃程度の支払いだけでマイホームが持てます。

家賃並みの支払い額でOKなら家を建てたい!と考える人は多いはずです。そこで、まずは山口さんに『20代、年収400万台、現在支払っている家賃が7万円、自己資金は200万円』というご家族の場合、家賃並みの支払いで家を建てられるか聞いてみました。

「住宅ローンの借入額を1800万円とするなら、毎月返済額は5万1316円になります(※)。家賃程度の毎月返済額で家は建てられます」。

新居が長期優良住宅の場合、「フラット35」S(金利Aプラン)を利用すれば当初10年間は金利が0.76%になるので、毎月返済額は4万8823円に、11年目以降は5万621円になります。さらに、住宅ローン減税を活用すれば、最大年末のローン残高の1%が戻ってくるので、10年間はしっかりお金を貯めておくことができます。

ただこれは、親などが持っている土地にマイホームを建てられるケース。ない場合は、土地購入のお金が必要です。地方で郊外のお家なら、駐車場スペースを入れても300万円台~500万円台くらいで買える土地もあります。ハウスメーカーが、ネットには出ていない情報を持っていることもあるので、聞いてみてもいいですね。

「マイホームを建てる時はこの他に、住宅ローンや登記にかかるお金なども必要になります。貯金から出すのか、諸費用ローンを利用するのか、早めに資金繰りを考えることが大事です。ただ、新築の戸建ての場合、カーテン代やエアコン、照明などの電化製品も、周辺機器一式として購入代金に含め、住宅ローンが組めるケースもあります。カーテンや家電製品だけでも20万円~50万円くらいかかりますので、どこまで入れられるのかをあらかじめ聞いておくと、入居前に用意する現金の目安を把握しやすくなります」。

※試算条件:「フラット35」を利用した場合。金利は2016年10月1日現在(返済期間35年、全期間固定金利、金利1.06%、元利均等返済、ボーナス返済なし)

■自己資金を増やしたい…どんな方法がある?

家を建てようと決めたら、両親や祖父母に贈与の相談をしてみましょう。

住宅建築を考える人なら、自己資金づくりのために貯金をしている方も多いでしょう。とはいえ、マイホーム建築の夢を叶えたるために、今払っている家賃にプラスして貯金をして自己資金をつくるのは大変なこと。そこでおすすめしたいのが、親や祖父母からの『贈与』で自己資金を増やす方法です。

「マイホーム建築を『贈与』という形で援助してもらえないか、相談してみるとよいでしょう。一般的に、親から子へ資産の移転が行われるのは相続のときですが、自分が年老いてライフイベントも終わってからもらうより、本当にお金が必要なときに援助してもらえる方が有り難いですよね」。

■自己資金づくりにこだわり過ぎないことも大事

低金利の今こそ、自己資金にこだわり過ぎて“家づくりのチャンス”を逃がすのは避けたい!

預貯金や贈与で自己資金を増やす努力は大事ですが、実は、低金利の今はこだわり過ぎないことも大事なのです。

例えば、これから頑張って毎月4万円強の貯金をすると、4年後には約200万円貯まります。しかし4年後、土地代を含めて2000万円を借りるときに、今の金利が0.5%上がったら総返済額は約200万円多くなるのです。

つまり、4年間で約200万円貯めても、金利が上昇すればすべて相殺されてしまうのです。そのうえ、家賃が7万円なら、6年間分の家賃総額504万円がムダになってしまいます。

「将来の金利を予測することはできませんが、今が歴史的な低金利であることは確かです。今、長期固定金利で借りれば、この先金利が上昇しても家計への負担は増えませんし、計画的に返済できるので家計も安定します」。

■住宅ローン返済以外にも“支払うお金”はある

忘れがちなメンテナンス費用は、入居後からコツコツ貯めておきましょう。

忘れがちなのが、住宅建築後、住宅ローン以外にも支払うお金があることです。例えば、年に1度、固定資産税などの支払いがありますし、一戸建ての場合、建物のメンテナンス費用を積み立てておく必要もあります。

「およそ10~15年程度で外壁や屋根の修繕が、15~20年程度で給湯器やキッチンなどの水まわり機器の交換が必要になるといわれています。メンテナンスの内容にもよりますが一度に百数十万円必要になるケースもあるので、新築時から最低でも毎月1~2万円は積み立てておきたいところですね」。

住宅ローン返済だけでも家計がキビシそう…という方は、借入額を減らして毎月の返済額も抑え、家計にゆとりがでる分を年に一度の支払いやメンテナンス積立金に回すという方法があります。

もしくは、夫婦共働きにして収入を増やすという方法もあります。「共働きなら収入源が2つになるので、家計のリスクヘッジにもなります。今20代の方なら共働きがスタンダードになるでしょうから、住宅ローン返済のためだけではなく、人生の楽しみや万が一の備えのために働くと考えてください」。

■20代だからこそ、先を見据えて計画をたてよう

ライフプランが固まっていない20代。でも、若いうちに建てた方がお金の面ではメリットが大きいのです!

20代でマイホームを持つ場合、先を見据えた計画がとても大事になります。
「家族のカタチが定まらない20代は、間取りが悩ましいところです。子どもは2人までのつもりでも、3人目がやってくることもあるので、予定より増えた場合はどうするかなど、あらかじめ考えておきたいですね」。

また、転職や転勤により家からのアクセスが不便になっても、引っ越すことは難しいかもしれません。もし、マイホームを人に貸したり、売却する可能性があるなら、借り手や購入者がつくような立地であることが重要になります。

とはいえ、20代で家を建てれば、返済期間を35年にしても、定年前にローンを完済できるのです!「例えば、29歳で家を建てれば、多くの人が老後に不安を感じる還暦60歳にはローン残高は500万円です。今は65歳まで働ける会社が増えているので、繰り上げ返済を一度もしなかったとしても、定年までにローンを完済できます。退職金をローン完済に充てる必要がなくなれば、退職金はすべて老後の生活費にまわすことが可能です」。

いかがでしたか。
ある程度の自己資金があれば、毎月返済額は5万円程度に抑えられるため、家賃程度の支払いでのマイホーム建築は可能といえそうです。先を見据えながらも、低金利の今こそ自己資金を貯めることにこだわり過ぎず、家づくりをスタートさせる方が得策かもしれません。

ファイナンシャルプランナー

山口 京子(やまぐち きょうこ)

名古屋出身。大学在学中からテレビ・ラジオに出演。卒業後はフリーアナウンサーに。
お金好きが高じてファイナンシャルプランナーの資格取得。新婚当初、手取り20万円台から、マイホーム購入。2年で完済費用を貯める!